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初雪山から犬ヶ岳、明星山へ縦走(後編)
 

【山行日】 201452日(金)〜5日(月) 34

【参加者】 H

【地形図】 1:25,000地形図 舟見、小川温泉、越後平岩、小滝

【ルート】

朝日小川第二発電所(朝日町蛭谷)〜大地山登山口〜鍋倉山〜大地山〜初雪山〜犬ヶ岳〜栂海山荘〜相沢山〜オッカブロ山〜柴倉山〜源太夫山〜ヨシオ山〜村杉山〜横前倉山〜一本松山〜ヒヨドリ池〜明星山〜岡集落〜小滝駅(糸魚川市)

ルート図


後編 犬ヶ岳より明星山へ


【行程
3日目】行動時間 10時間05分 天気 晴れのち時々曇り

1595.7三角点(初雪山北)5:401270m鞍部(標高点)6:50〜北又谷源頭(標高1230) 6:557:50栂海新道標高1540m地点8:008:15犬ヶ岳8:35〜栂海山荘8:45〜相沢山9:3010:05オッカブロ山10:1010:45柴倉山11:4012:15源太夫山12:2013:25ヨシオ山13:4014:30村杉山14:4015:30横前倉山15:3515:45 標高1080m台地

犬ヶ岳から柴倉山へ

栂海山荘の前から見たところ相沢山山頂部とその手前は結構藪が出ているように見える。


栂海山荘前より相沢山、柴倉山方面

その藪は出発からすぐに始まる。

アイゼンが枝に引っかかり、手に持ったピッケルが邪魔だ。
藪は出来るだけ避けたいところだ。

残雪はブロック状の垂壁を伴っていることが多い。
また雪面も傾斜が強いと繋がっていても巻けない。
クラックが走っている箇所も多くなり気が抜けない。

藪の濃さ、クラック、雪面の繋がり、尾根の左右でどちらが得策かなど見極めながら進む。

34回、藪を抜けるが、枝が下方に向いており登るには大変だ。
下るには支えになるが、しかし枝はよく滑る。

相沢山は近づいてみると尾根の右に雪が続き山頂を通らずあっさり通過できた。

その先は藪が出ていなく、広くなって歩き易いたおやかな尾根がしばらく続く。

オッカブロ山手前からの朝日岳、黒負山

緩やかで広い尾根がオッカブロ山まで続き、山頂で休憩。

特徴は無いが展望は相変わらず雄大。

柴倉山までも広い尾根がゆったり続き、まさしく稜線漫歩。

余所見をしながら歩いても安全だ。 

柴倉山は2つピークがあり、北のピークがやや低いがそちらに三角点がある。

(三角点は雪の下で実際には見えないが)

この柴倉山の山頂には大きなカモシカの先客が居て、登ってくる私をずっと観察している。

 
柴倉山山頂にいたカモシカ      相沢山と犬ヶ岳

いよいよ山頂だが、直下で動かずにしばらくお互いを観察しあう。

カモシカも人間を見るのが珍しいのか、興味があるのだろう。

そのうちカモシカに退いてもらって山頂は人間に交代。

以前からこの山の名前は地図で見て知っていた。

県境から明星山までの間では一番顕著な山だ。

こんな不遇な山にこそ登ってみたいと思っていた。

念願が叶い感動。もちろん360度の展望だ。

持っていた飲料も無くなったので、この山頂で大休止とする。

雪を融かしてコーヒーを沸かし1L作る。

行動食を食べ、紅茶も作り、優雅で至福のひと時を過ごす。

前には朝日岳から黒負山、聖山、赤禿山の稜線が手に取るように見える。

その稜線はこちらより少し長そうだが、縦走できるのだろうか興味が湧く。

柴倉山からは先の尾根の様子が見える。穏やかな連なりが見渡せる。

そろそろどこに泊まろうか? 地図と目で追う山並みとを合わせて思案。

山頂で小一時間過ごした。

 
柴倉山から東に稜線を見る      県境稜線を振り返る

 

柴倉山からヨシオ山へ

ここまで比較的順調に歩行が捗った。天気も今日は大丈夫そうだ。

これから先、あまり急ぐ必要はないが、明日は天気が下り坂の予報だ。

山頂を辞し、しばらく北に向かい、少し東に向きを変える。

少し急になって順調に下降してくと前方がすっぱり切れたクラックの縁に出た。

前に見える山々の展望に目を遣っていたのでクラック手前5mほどで気づいた。

かなり大きく裂けており、尾根を横断している。さてどうしようか?

良く見るとずっと右に行った箇所で収束しているようだ。

右手の巻きながら次第に急な傾斜になる。

スリップして滑落しないよう慎重に登り気味に巻く。

途中からバックステップで足元を決めながらクラックの繋がった際を越えて下方に繋げた。

その後はどんどん下降していき、登りに転じて緩やかに登り返すと、何の特徴も無い源太夫山に着いた。三角点も無く、平凡そのもの。


源太夫山山頂より朝日岳、黒負山

源太夫山の登りあたりからは尾根の左側にブナ林が続くようになる。

雪庇はほとんど落ちており心配する必要は無いが、時々張り出しがあるので注意。

源太夫山からは標高差150mの下りだ。颯爽と駆け下る。

下り着いた先は細い尾根のため藪を心配したが、雪はずっと途切れずに続いていた。

前年の熊棚をところどころで見かける。見事な枝折で棚状に束ねてある。

結構太い枝を折っているので相当な力持ちなのが分かる。

ヨシオ山へは鞍部から最初は急な登りだ。雪は午後になっても安定しており、順調に進む。

ヨシオ山山頂手前で久し振りに藪に入る。この藪の中に色の濃い鮮やかなカタクリの花がイワウチワと混ざって咲いている。何度か写真を撮る。

 
ヨシオ山に咲くカタクリ   熊棚 あちこちにあった

藪は僅かで抜けたすぐ先がヨシオ山山頂だ。

ときどきヨシオさんと山に登るが、この山名は人の名から採ったのだろうか?

長めに15分休憩し、残りの歩きに備えて英気を養う。

 

ヨシオ山から横前倉山北東の台地(標高1080)まで

山頂から120m下り、ひとつ小さなコブを越え、60m登って方向を変える。

この鞍部にも熊棚が多く、このあたりには熊が多く生息しているようだ。

しかし今回の山行では熊の足跡は見当たらなかった。

村杉山は名前の通り杉の大木がところどころ叢がっている。
全て稜線の西側だ。


村杉山の稜線をゆく 遠くは明星山

村杉山の杉の日陰で休憩。
鳥の囀りも聞こえ出し、少し標高が下がったのを実感。

ここからは尾根のアップダウンが余り無く、歩きやすい。

地形図で今日の泊まり場を決めていた。

しばらく単調な稜線歩きを続け、やがてだだっ広い横前倉山に着く。

山頂はそのまま通過し、その先を下った標高1080mの尾根が広くなり南に平坦な支尾根を派生する台地に着く。

ここは想像通り泊まりにはうってつけの場所だ。

右に明星山、左に青海黒姫山を望むブナの疎らに生えた絶好の場所だ。

青海黒姫山を望む稜線より一段下の盆地状の中でテントを張った。

周りの微高地が風を遮断し、展望もいい。

今夜は静かで暖かい夜となった。

明日は尾根が複雑で、明星山の尾根取り付き地点までは進路に気を遣う箇所だ。

寝る前に地形図で予習をしておく。

  
テントを張る 稜線北側の平坦地   テントからの青海黒姫山

【行程4日目】行動時間 6時間25分 天気 曇り

横前倉山北東の台地5:25〜一本松山6:056:35ヒヨドリ池6:45〜明星山北西尾根末端(標高920)7:007:50明星山8:159:00北西尾根末端9:109:35林道に出る9:45〜岡集落11:1011:50小滝駅

 

横前倉山北東の台地からヒヨドリ池を経て北西尾根末端へ

曇っているので暖かい朝を迎えた。

雲が全天を覆っているがガスは掛かっていない。幸い雨も降っていない。

風は弱くまずまずの天気だ。

テントから正面に黒々と青海黒姫山が見える。

出発し、ひと登りで尾根に。向こうにはやはり黒く明星山が見える。

まず下りから始まる。左に緩く旋回し鞍部に着く前に右手の沢の右岸の斜面を下る。

やがて斜面は傾斜で歩き難くなったので雪の詰まった沢の芯を下降する。

左に稜線が見え始めると沢を離れ一本松山の尾根に取り付く。

穏やかな台地状のうねりの向こうに格好良く明星山が見える。


一本松山への登りから明星山を見る

一本松山の山頂手前では少し新緑が出始めたブナ林が美しい。

一本松山には細い松が一本生えているが、まさかこれで名前が付いたとは思えない。

山頂からは少し急な下りとなり、下方に行くほど末広がりで降りる。

鞍部に降り着くと南北に長い地峡状になっている。

東に向かってひと登りすると、芽吹き始めた細いブナが整然と並んだ美しい森になる。
 
ブナの台地をゆく          若いブナ林越しに明星山

台地の微小なうねりの間を縫いながら東に向かって適当に進む。

やがて20m程度高くなった平坦な尾根が南北に走っていて、その上に出る。

東の展望が開け、ここで南に折れる。

今度は明星山から北東に伸びる尾根の末端を正面に見ながら進む。

時間があるので、途中からヒヨドリ池方向に進むことにし、尾根を左に離れる。

ヒヨドリ池はまだほとんど残雪に覆われているが、少し水面が出ている。

そこは薄いブルーが透けて見え綺麗だ。曇天でなければもっと鮮やかだろう。


春浅いヒヨドリ池

周りにもあまり木が生えてなく、浅い新緑が彩りを添えて明るい。

池からは南に向かう。低い場所を縫いながら、コブには登らずに済ませる。

やがて尾根に合流し、次第に左に旋回し、若干下ると尾根末端に着いた。

残雪で覆われた広い鞍部に出た。ここに荷を置いて明星山へ往復する。

 

北西尾根末端から明星山へ往復

はるか西の大地山からここまでは犬ヶ岳を除き登山道が無いところを歩いてきた。

ここからは久し振りに道のある区間だ。

そのため明星山への登山者のトレースを期待していた。しかし見当たらない。

明星山への登山道も雪の下で分からない。

末端の急斜面を登りやすそうな場所から取り付くことにする。

40mほど登って尾根上に出ると雪が無くなった。しかし登山道は無い。

そのまま倒木や藪で進み難い尾根を強引に進むが、これではえらく時間が掛かる。

どうなることやらと思ったが、10分余り悪戦苦闘すると突然道が現れた。

やれやれだ。

そこからはしっかりした登山道を進むが、石灰岩の露頭と木の根が絡み、歩き難い道だ。

おまけにアイゼンを着けているので引っかかって大変。

20分ほどして展望が開けてくる。

 


アイゼン、ピッケルは邪魔なのでここに残置して登る。

心配していた雪壁は無く、山頂手前で雪稜を歩く場所があったが問題ない。

小一時間で三角点のある山頂に着いた。山頂には雪が無い。

初雪山から明星山まで完結できて充実感に浸る。

しばらく休憩し、南に足を進める。

石灰岩の間をすぐで、南に展望が大きく開けた場所に出る。

明星山は岩壁登攀で有名だが、ここから南の一帯がエリアだろうか。

今日は雨が降りそうな天気だが幸いガスはない。
県境方面はガスで見えない。
雨飾山や駒ヶ岳など頚城方面はなんとか見えている。


雨飾山など頚城の山々

しばらく展望を楽しんだら下山だ。

山頂からはそのまま元来た道を戻る。

下方で道が雪の下となった箇所からそのまま雪面をダイレクトに降りて元に戻った。

 

北西尾根末端から林道へ

鞍部から小沢の右岸斜面を適当に下る。

次第に新緑の色が濃くなってきて、春を感じるようになる。

やがて複数のワカンの踏み跡が出てきて、その跡を追う。

30分ほどで雪に覆われた林道に出た。

 

沢の右岸を下る                  標高が下がると新緑

林道を小滝駅へ下山

林道脇にはフキノトウやコゴミがたくさん出ており、緑色が鮮やか。

山腹を縫う林道をのんびり辿り、下に行くほど緑が濃くなってくる。

岡集落に着くと、帰省していた人達の別れを惜しむシーンに2度ほど出会う。

GWで一時この静かな集落も賑わっていたようだ。

振り返ると、明星山がかなり高くなって見える。

 
明星山を振り返る          小滝川より明星山

南の壁は相当迫力があり壮観だ。

やがて小滝川に降りつき、県道から国道と出るころに雨になってきた。

雨が強くなる前に静かな小滝駅に辿り着き、無事縦走を終えた。

GWの4日間、他の登山者には出会わない静かな山旅となった。

12:24発のディーゼルカーに乗り、帰路に着いた。


 
旅の終点 小滝駅

 

今回、悪天候にも遭遇したが、充実した山旅となった。

あとで調べてみると、相沢山やオッカブロ山といった山名があることが登山地図やネットで分かった。

場所が正確でないかも知れないが、よくこんな山奥にこまめに山の名前があるものだと感心する。昔の人の生活は今よりもっと山に近い場所にあったのだろう。

縦走していると右側に見える朝日岳から五輪山、黒負山、聖山、赤禿山と続く山脈の存在感が大きかった。いつかあの尾根を辿っても面白そうだ。

posted by: horiuchi | 北アルプス | 21:33 | - | - |-