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櫓岳からカブリ岳へ

【期 日】2014年11月15日(土)
【メンバー】H
【地形図】 1:25,000地形図 薩摩黒島
【ルート】大里〜櫓岳〜横岳山〜カムゴ山〜カブリ岳〜塩手鼻〜大里
 
久し振りに三島村の島に出掛けることにした。
もう17〜8年前になるだろうか、硫黄島の硫黄岳に登った。
その時西に見た黒島はその名の通り山の緑で覆われた黒っぽい姿で、ミニ屋久島のような感じで興味を持った。
地形図を見ると、最高峰は櫓岳だ。

しかし、山頂近くまで道路があり、島の中央にある山の周囲にも道路が張り巡らされている。
そのため少し興味が薄れていた。
今回、中日を一日山登りに充てられる2泊の船便がたまたまあり、この日程に合わせて櫓岳に登ることとした。
民宿を予約しようとしたが村民文化祭と重なり宿はどこも休業だ。
三島村役場に伺ったところ、運動広場へのテント泊の許可を快く頂けた。
運動広場は綺麗なトイレや水場がすぐ近くにあり快適な2夜を過ごせることになった。
 
行程 行動時間 9時間40分 天気 晴時々曇り
大里625〜県道221号〜林道中里線〜745大里登山口755830櫓岳900
横岳山〜カムゴ山〜1005カブリ岳1015〜片泊登山口1030〜中里林道〜村道丸瀬線〜1150塩手鼻1230〜村道丸瀬線〜黒島平和公園15301605大里
 
 
大里から県道、林道を経て大里登山口へ
まだ薄暗い間に朝食を済ませ、集落を抜けて県道を歩く。
30分ほどで背後の雲の合間から朝日が射した。
すぐ左手に噴煙を上げる硫黄島が浮かぶ。

朝日と硫黄島を望む

7:00ちょうど、二車線の立派な県道を離れ、林道中里線に入る。
急に勾配が増し、喘ぎ喘ぎ進む。簡易舗装の道路は固く、足に堪える。
両側には背丈4〜5mほどもある密生した竹で鬱蒼として景色は見えない。
標高330mからは常緑樹が出てきて雰囲気が良くなってきた。
標高370mまで上がると右側に放牧場がある。
前方に景色が広がった。

朝日射す横岳山から花立山へ続く稜線

花立山から横岳山に続く山並みに日が差し樹林が綺麗に見える。
折り返して次のカーブには手向山の清水が湧き、美味い。
勾配が緩くなり西に進むと沢を渡って4差路だ。
看板があり、大里から帽子山を巻いてきた別の林道とクロス。
さらに真っ直ぐ200m進むと三差路が大里登山口だ。

少しピラミダルな花立山
 
大里登山口から櫓岳へ
分岐から少しの間は車道で、沢に寄ると林道終点。
艶のある深緑色のハランを林床にした樹林の中を進む。
小沢の左岸を歩くがツワブキの黄色が真っ盛りで印象的。
やがて縦走路の分岐に着く。
左に進み、すぐに小沢を渡って山腹を巻く。
もう一本沢を過ぎるとハランの中の明るい登りになる。
尾根に乗り右に少し進んだ高まりが櫓岳山頂だ。
さすが一等三角点が鎮座している。
東に大里方面と西にこれから進む横岳山方面が見渡せる。
南北は樹林で見えない。
島のはるか西に目を凝らすと、草垣群島が荒々しく見えている。
初めて目にする諸島だ。
はるばるやってきた南の島のてっぺんでゆったりした時間を過ごす。

櫓岳山頂より横岳山、カムゴ山への稜線を望む
 
櫓岳から横岳山、カムゴ山、カブリ岳へ縦走
分岐まで戻り、縦走路へ
道はよく整備されていているが、植物の勢いが強く部分的に草が茂っている。
途中に屋根のある東屋があり雨の日は重宝だ。
しばらく緩く辿った道は急になり階段状を登り詰めると横岳山に着く。
ここも立派な看板が建っている。看板はどこも最近設置されたばかりのようだ。
山頂からは特に南側の風景が広がり、海の青が美しい。
常緑樹に包まれた穏やかな山並みが広がる。
10分余り景色を堪能して下りに掛かる。
左手に鞍部めがけて標高差50mをあっという間に降り着く。
そこからは平坦に近い緩い尾根をゆったり進む。
だらだらと登りわずかに高くなった地点がカムゴ山だ。
危うく通り過ぎるところだった。
山頂の標識で気づいたくらい、山頂らしくない場所だ。
このカムゴ山、地形図ではガムコ山という表記で濁点の位置が違う。
平凡なカムゴ山は通過し、下りになると分岐が現れた。
片泊登山口とカブリ岳との三差路だ。
カブリ岳へと進むと下っていく。
しばらく下って平坦になり、前方に岩場が出現した。

カブリ岳より緑深いカムゴ山を望む

この岩場を巻いて登ったところが山頂だった。
直下にスッパリ南に垂直に切れ落ちた岩壁となっている。
岩の上に登ると実に爽快!
風が緩く吹き、辿ってきた櫓岳方面の山並みと、足元には緑一面の樹林が広がる。
これから向かう塩手鼻の半島も見えている。
カラスが多く、こちらの様子を興味深く観察しているようだ。
 
ガブリ岳から片泊登山口へ
分岐に戻り、山腹を右手にトラバース。
すぐに小尾根状の下りになる。
下方で大きく巻きながら下ると片泊登山口の車道に躍り出た。
分岐からはわずか10分弱だ。
今日はまだ車も人も出会わない。
車道の真ん中で寝ころんで休憩だ。
沿道はツワブキの鮮やかな黄色で埋められている。

樹林から抜きんでるカブリ岳
 
片泊登山口から塩手鼻へ
ここからは再び林道中里線の車道歩きだ。
10分ほど下るとツワブキの花にたくさんのアサギマダラが群がっている。
このような光景は南アルプスの野呂川で見て以来だ。
それにしても大群。ひらひらと優雅に飛ぶ光景にしばし見惚れる。

ツワブキの花に群がるアサギマダラ

先週、広島の昆虫館の温室で蝶の温室の中に入りいろんな蝶を目の前で見た。
同じような光景に感動。
ただ違うのはアサギマダラがほとんどであることだ。
そのうちの一頭に記号が付いている蝶を見つけた。
帰って調べたら長崎バイオパークでマーキングされたアサギマダラだった。
たった5日間でここまで渡ってきていた。
さらに沖縄、台湾へと長旅の途中だったようだ。

蝶を観察しながら歩くので退屈しない。
やがて村道に出て、片泊方面に500m進む。
そこからは折り返すように塩手鼻への下り道に入る
20分ほどで観音に着く。明治28年に「黒島流れ」とうい411人もの人たちが亡くなる悲しい事故があった。
港を遠望する明るい尾根の張り出しの上に立派な白衣観音像が建っている。

その脇をさらに下ると車道の終点だ。
細くなった道を下るとパッと前方に海原が広がり、白い岩と相まって明るい。
階段と急崖に刻まれた道はまるで海に吸い込まれるような感じで快感。
その先は節理状になった岩と海だけの空間だ。
歩道の終点で大休止。
しばらく海原と岩に寄せる波と空を見ながら寝ころぶ。
潮騒が心地よい。


 塩手鼻

塩手鼻から大里へ
標高差200m登り返し村道へ
再びアサギマダラを観察しながら大里へ向かう。
他にもいろんな蝶と出会い、ここは南国であることを感じる。

アスファルト舗装の単調な道路を辿るが車は一台も出会わない。
やがて右前方に最近噴火した口永良部島の古岳、新岳が望めるようになってきた。
古岳、新岳は2007年2月24日に登った懐かしい山々だ。
入山規制でもう当分の間は登れる状態にはならないのだろうか?
その左遠くに屋久島の山並みが霞んで見える。
村道の一番標高の高いあたりに開通当時の記念碑が旧道に建っている。
このあたりからみる常緑樹の山並みは緑濃く目が覚める。

村道丸瀬線から照葉樹林の山肌を見上げる

海の青との対比が美しい。
深い森の間を急流となって沢が海に向い落ち込んでいる。
尾根を回り込むごとに進む方向が少しづつ左に旋回し、今度は硫黄島が見えてきた。
噴煙を上げ、荒々しいがその少し手前右手に岩の塊が海から抜きんでているところが望見できる。
あとで地図を見ると、デン島だ。3つに分かれている。
帰りに船上から眺めたが、それにしてもすごい様相だ。
絶壁になっていて、とても上陸は出来ないのだろう。
櫓岳から南東に張る尾根がおさまるあたりに帽子山から下りてくる林道が合流。
休憩しているとすぐ近くにカラスが寄ってきた。
ナッツやビスケットを並べてやると分かっていてすぐに飛んできて食べる。
さてこの先は風景が変わり、背の高い竹とその間に放牧場が続く。
明るい穏やかな丘陵地となり、東を目指す。
分岐で黒島平和公園のほうに進む。
過去の悲惨な出来事とは裏腹に穏やかな風景と静けさが一層身に染みる。
平和公園からは大里集落が見渡せる。緑に覆われ、家は見えにくい。
その先には泊まっている運動広場があり、妙塔が際立って目立つ。
冠岳の手前で大きく回り、大里集落目指して下降する。
畑が現れ、散歩する人たちに出会う。
人に出会ったのは結局集落内だけで山では人も車も無いのどかさだ。
夕暮れ、集落の中心部を歩くが、落ち着いた家々で生活の息遣いが伝わってくる。
平和ないつもの時間なのだろう。
村民文化祭が催されているせいもあるのか若い人も多いのは微笑ましい。
夜、広場の芝生で寝ころんで天の川を眺める。
人工衛星は10個ほどいろんな方向に飛んでいるのが見えた。
星を見ながら今日一日、ゆったりした島の山歩きを終えた充実感に浸る。
明日は鹿児島市内で温泉に浸って帰ろう。


 

 
 

posted by: horiuchi | 九州の山 | 22:03 | - | - |-