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西表島西海岸へ 前編(南風見田浜から最西端パイミ浜)

 

【期 日】2017年12月10日(日)〜15日(金) 5泊6日

【参加者】H内(OB)、O藤

【地形図】1:25,000地形図 西表大原、舟浮、ウビラ石、船浦

【ルート】

南風見田浜〜鹿川〜落水崎〜ウビラ石〜最西端パイミ崎〜パイミ浜〜崎山湾ウボ川〜

崎山越えアヤンダ川〜ウダラ川〜ウダラ浜〜西山越え〜イダの浜〜船浮

 

前回、南海岸の山行では西海岸への興味が高まり、いつか行こうと決心していた。

自然が濃く、海岸線の山野を何日も歩ける山行ができる沖縄では唯一のエリアだ。

いや、日本中を探しても稀有な場所だ。他には知床の海岸くらいだろうか?

西表の山行は今回が4度目だ。浦内川からの横断や沢登りで内陸の山行だった。

前回は初めての海岸歩きで2014年冬に南海岸を訪れ、海岸歩きに魅了された。

今回はそれから3年振りに南海岸からさらに奥の西海岸を目指す機会が訪れた。

 

9日午後、広島からの0藤さんと石垣空港で合流。フライトはともに30分遅れだ。

今にも降り出しそうな空だが暖かい。バスで石垣市街へ。ホテルは竹富町役場の横。

ガス缶などを買い出し、夜は前回山行の時に行ったえいこ鮮魚店へ。

ここは安くて新鮮な刺身が美味い! 

お互いの再会と今回の山行の無事を祈願して乾杯だ。

10日午前、山行に備えての食材やお酒を買い足す。宿は安いが物価は結構高い。

予定より1時間早い高速船で大原へ。

 

1日目】 天気 晴れ  行動時間 0時間25

南風見田浜車道終点12101235南風見田浜西寄りのテント地

 

大原港に着くと気温はそれほどでも無いが日差しは暑い。

駐在所に寄ってから、前回同様タクシーで道路の最西端の南風見田浜入口へ。

車道の終わりより山行の一歩を踏み出す 今日はいい天気だ

 

まだ正午を少し回ったところ。時間はたっぷりある。

今日は砂浜を少し西に向け歩くだけだ。

前回お世話になったテント泊地を探すが記憶が戻らず見つけられない。

何本か沢水が海岸に注いでいるので適当な砂浜の上でテントを張った。

まったりした午後の時間、昼寝や散歩などを楽しみ、だらだら過ごした。

南風見田浜より大原方向を望む  今日は暑い

 

2日目】天気 曇り時々陽が射す  行動時間 8時間50

南風見田浜テント地725820トーフ岩830920大浜930→クイラ渡り手前の浜

1150→(行き過ぎ往復20分)→1230クイラ渡り入口12401315クイラ渡り

13251350クイラ渡り鹿川側14001535高巻き15451615鹿川

 

泊地から大浜へ

朝起きると曇りがちで綺麗な朝日は望めない。

今日はひたすら西を目指す。

岩交じりの海岸を10分ほど歩くと広い砂浜へ

曇りがちだが時々青空が広がって爽快。

今日はずっと西の鹿川を目指す 南国の風景だ

 

砂浜は足を取られてなかなか歩き難いものだ。

荷は20Kgを少し超える程度だ。

30分ほど進んでリーフ歩きへ。

もちろんO藤氏はリーフ歩きは初めて。楽しそう。

砂浜歩きよりずっと楽で歩行が捗る。

リーフをゆくO藤氏 青い熱帯魚が色鮮やか シャコも時々跳ねる

 

ひたひたと浅いサンゴ礁のリーフ歩きが風を受けて心地よい。

時々日差しが射すと色鮮やかで光線に照らされた海面が美しく映える。

やがて大きなトーフ岩が見えてきた。

近くに寄るとその巨大さに圧倒される。サイコロを落としたようで面白い。

どうやってここに存在するのだろうか?

トーフ岩

 

ここから先もしばらくリーフ歩きを楽しむ。

やがて潮が上がってきて岩の海岸を歩くようになる。

少し角度が右に旋回すると大浜が見えてきた。大浜でしばらく休憩。

浜に注いでいる水は結構流れている。日差しが出ると暑い。

落水崎がだんだんと大きく見えるようになる。

ここから見る限りでは切り立っていて簡単には通れるように見えない。

 

大浜からクイラ渡りへ

大浜を出発し、少し岩の海岸を進み、次の小さな浜に達する。

その先の前方には尾根が海に急角度で落ちているところが見えてきた。

クイラ渡りの入口にはオレンジ色のブイが2つ木に吊るしてある。

前回はすぐに見つけた。今回、何となくの記憶のまま歩いた。

しまった! ・・・気づくとその場所を通過して先に200m余りも進み過ぎた。

戻りながらよく探すとあった。

東から来ると木の葉の陰になっていて見えない。ブイは少し高い場所にある。

20分ほどロス。クイラ渡りの滑りやすい急登に備えて長めに休憩。

長袖に着替えてクイラ渡りの山道へ。

入口はアダンの葉が元気で、少しの間はこの棘のチクチクに耐えて進む。

アダンが無くなり、滑りやすい急な登りがしばらく続く。

薄暗い林の中は風が通らず大粒の汗が出る。前より踏み跡は明瞭になっている。

テープも多い。標高60mあたりでO藤氏が感動している?

ヤッコソウ

 

何だろうかと近づくとしきりに写真を撮っている。ヤッコソウだ。

私はちょこちょこ山で見かけているがO藤氏は初めてとのこと。

さてやがて急登を終えると同時に進路を左(西)に変え、平坦な稜線に乗る。

しばらくしてうっそうとした森の中の三差路となる。

目立つブイが2つ吊るしてある。右の道はクイラ川に降りる道だ。

 

クイラ渡りから鹿川まで

しばらく休憩後、尾根を少し辿る。

やがて浅い沢を下降し、崖の手前で右に曲がって海岸の岩場に降り立つ。

目の前には鹿川湾を隔てて落水崎への海岸線が広がる。

しばらく海岸をゆくと大岩が海へ張り出しているところがある。

藪漕ぎで山際に迂回し向こう側に出る。

つづいて岩場が海にストンと落ち込んでいるところに。

ここは5m程の岩登りと急崖のトラバースで海岸を迂回。

前回同様、青色の太いロープが岩に掛かっている。

干潮なら岩沿いに海周りで行けそうだ。

岩場のトラバースより鹿川の砂浜を望む

 

岩棚のトラバースの途中からが鹿川がよく見える。

後は岩交じりの海岸線を進んで鹿川へ。

到着して驚いた。前回と何かが違う。

川の流路が大きく変わっていた。

前回テントを張ったところの際まで水流で抉られている。

今日は海岸からの風が強い。

川で削られ狭くなった砂浜の上にテントを張る。

目の前には今日歩いてきた海岸線がよく見える。

鹿川  前回とは川の流路が大きく変わっていた

 

テントは前回と同じ場所だ。隣の洞窟も少し崩れたのか以前と違うように感じる。

今日が一番距離、時間が掛かる行程だったのでO藤氏は疲れ気味の様子。

明日からは行動時間が少し短くなる予定だ。

夕方も雲が多めで、冬型の影響が続いている。

夜、前回はホタルやオオコウモリがいたが、今回オオコウモリは見かけない。

ほんの少しホタルを見るだけだ。大ヤドカリもヤシガニも見かけない。

静かな鹿川の夜を過ごす。

 

3日目】天気 曇り時々晴れ 午後曇り  行動時間 5時間40

鹿川720→海岸崖下815900落水滝910925落水崎930

1045崖の高巻きと懸垂下降11251145腰まで海水に浸かり越える

11551300ウビラ川

 

鹿川から落水崎へ

さてここから先は未知のコースだ。

前回はウダラ浜へ山越えをした。

鹿川 泊り場の夜明け

 

今日の朝日は南風見岳あたりから昇り壮観。

朝はまずまずの天気だ。

最初は歩き難い大岩を越えていく。

15分ほどで広い浜に出る。

落水崎に向かって砂浜をゆく

 

よく見ると岩に化石がいっぱいついている。

四角形に模様の入った岩が現れ、自然の造形美にしばらく佇む。

いったいどうやって形成されたのだろうか興味が湧く。

 

サンゴと貝の化石             四角い模様の岩

 

背後を眺めると緑濃い山並みが・・・・

山肌にはヤエヤマヤシの木が高い密度で生えている。

そのもこもこ感がなかなかすごい。

八重山ヤシの群落

 

浜の南端まで来る。

そこは昨日対岸から眺めていた小尾根が海にストンと落ちている場所だ。

さて越えられるのだろうか?

今回の山行も干潮の時間で日程を決めてきた。

いざ進むと膝下まで海に浸かって容易に通過できた。

波も湾内なので余り無い。

干潮の時間帯で容易に通過する

 

この地形では満潮なら通過は困難なようだ。

ここから先、終日岩だらけの海岸を南に進むことに。

地形図の133.1m三角点の山稜を下から仰ぐ。

海岸へ崖となっていて一気に切り立っていて爽快。稜線の背後の空の色が濃い。

海岸の岩には網目模様がびっしり掘り込まれていてるものが多く不思議な光景。

やがて崖の途中から落ちる滝が見てえてきた。落水滝だ。

落水滝

 

アダンの樹間から豪快に水を落としている。

地形図を見ると、上流側はいたって平坦だ。

平坦な地形から南寄りの凹状を流れ滝になっている。北側はほとんど水が無い。

狭い流域でよくこれだけの水が集まるものだと感心する。

滝から少しで落水崎だ。角度が変わるので広い景色が見渡せる。

昨日歩いてきた海岸線が朝日を浴びてやや霞んで見える。

落水崎よりクイラ渡りの鞍部、南風見岳方向を望む

 

落水崎からウビラ川まで

落水崎からは進路が変わり西に進む。

次第に大岩の迷路になる。

隙間を抜けるか、岩塊の稜のうえを繋げて渡るか悩ましい。

先をよく見通して考えながら進むが時にバックを余儀なくさせられる。

途中、上部がオーバーハングした大きな岩の舞台のような場所にでる。

すぐ下に立つと大きなスケールに圧倒される。しばらく休憩を兼ねて佇む。

その先、今度は途中にテラス状の空間を持つ大岩が出現。

大岩の上部にあるテラスの中に入ってみる。不思議な造形。

海を眺めながら寝ころべる楽しい空間が素敵だ! いい物件だ?

 

岩の舞台            テラスで一休み

 

他にも自然造形の奇妙な光景が現れ楽しい。

(その後、本当に岩のテラスで泊まることになるとは!)

落水崎から1時間10分余り進んだところで大岩が海に迫り垂直の崖の上へ出た。

ここからウビラ川の湾の先に14m標高点のあるハテルマ石が見える。

とうとう行き詰った ウビラ石方面の海岸線の眺めが壮観だ

 

楽しんでばかりはいられなさそう。 さてどうしようか?

海岸線は水深が深く、波もあり、海に浸かっては越えられない。

少し戻ったところから巻こうとしたがアダンの密藪でとても突破は無理だ。

まずは落ち着こう。ゆっくり行動食を食べ、風景を楽しみながら休む。

周りを観察し、崖スレスレにアダンの藪を漕いで山際まで行ってみることに決心!

長袖に着替え、手袋をしてアダンを漕ぐ。格闘10分ほどで山際に近寄った。

下が覗ける場所があり、5m程の崖を下れば下の海岸に出られそうだ。

太いアダンを支点に懸垂下降を行う。

アダンの枝は切られた跡があり懸垂の支点に利用されているようだ。

懸垂で思ったよりも容易に降り着いた。

この画像より山際を懸垂下降 海は満潮に向かっていて波が高い

 

今回は満潮に近づいている時間なので懸垂になった。

干潮で波が穏やかなら海に浸って通過できるかも。

さてここを出発して5分くらいでまたしても難関が。

大岩で前進できなくなる。岩を山側に高巻くのは大変そうだ。

海を見ると何とか進めそうだが曇っているのと波で先の水深が読めない。

しかしここしか進める場所が無い。

相談し、海の中を行くことに。

右手で岩を押さえてバランスを取りながら進む。

思ったよりも容易に進め、どうということも無いかと最初は思った。

しかし、・・・もう少しのところで厳しくなった。

深みがあり、たぶん胸くらいまでの水深がありそうだ。

波も強く打ち寄せていて躊躇する。距離はほんの5mほどなのだが・・・・

水深の怖さよりも、波で体が沖へ持っていかれないかが心配だ。

波の間隔をしばらく見て、波の入り込む合間に意を決して一気に渡る。

渡る途中で背後からザックごと波に押される。

おかげで強制的にうまく向こう側に渡れた。

さて続いてO藤氏だ。

波の間隙をはかって前進、大きな波に煽られて全身が浸かったが無事渡れた。

やれやれ、懸垂に波にとこの1時間ほどで結構疲れた。

いつしか日差しも無くなり、その後も延々と続く大岩のルートに神経を遣う。

大岩の海岸が長く続き、進路に神経を遣う

 

歩く速度もかなりペースダウン。

次第に進路が右に回り、右手の山の傾斜が強くなってきた。

いつしか大岩が無くなり、幾分歩きやすくなった。

難所から1時間余りでウビラ川の河口が見えてきた。

ウビラ川の河口は大きな丸い石でびっしり埋め尽くされている。

山際は濃い藪で占められている。地形図からの想像とはかなり違った。

今日はここまでの予定でようやくたどり着いたがテントを張れる場所が無い。

O藤氏は隙間を石やその辺にあるもので埋めて何とかなるだろうとのこと。

時刻はまだ午後1時なので、しばらく休憩する。

浜を良く眺めてみると、河口の右岸の切り立った岩場に大きな窪みが見える。

偵察にいってみると、なんと平らで広い半洞窟状のテラス状の場所がある。

これなら整地も不要で、雨も凌げて泊まるには打ってつけだ。

今日は今回の山行で一番歩き難いところを終えた。

3時間ほど昼寝や雑談をして体を休める。

ここはちょうどいい広さの空間でなかなか体験できない面白い泊り場だ。

 

半洞窟 下は平らで快適           夜は幻想的だ

 

ロープを張って干しものをしたりしていつの間にか生活感が・・・・・。

この夜はO藤氏と話が大いに盛り上がり、泡盛もかなり進んだ。

月夜のもと、波の音をBGMに・・・・・。

飲み過ぎていつの間にかそれぞれ就寝。就寝時間・・・・???。

 

4日目】天気 曇り時々晴れ    行動時間 7時間10

 ウビラ川8:25→8:45滝8:50→9:50ウビラ石10:15→11:15幸滝11:20→13:00

ヌバン浜(鞍部越えを試みるが敗退)13:55→14:05パイミ崎14:10→14:25 

1回目懸垂下降(支点に忘れ物をし往復)14:50→15:05 2回目懸垂下降15:30

→15:35パイミ浜 

 

ウビラ川からウビラ石へ

昨夜はお互い普段話さないことも言ったような? それぞれ忘れましょう!

そんなことで今朝は起きるのが遅くなった。

今日も曇りがちな天気だが時々日が射す。

泊り場から落水崎方を望む

 

昨日に続いて大岩の海岸を歩く。

20分ほどで滝がある。やはりアダンの脇から落ちている。

やがてウビラ石に似た地形図14m標高点ハテルマ石の小島の横を過ぎる。

昨日眺めていたこの辺りは浜辺だと思っていたが、実際は丸い石の海岸だ。

ここからは地形が変わり、丸い石で埋め尽くされた広い海岸線を辿る。

前方にウビラ石の岩場が近づいてきた。

石の海岸をウビラ石に向かう

 

ウビラ石は四角い岩の塊が整然と並んだ姿で奇妙で面白い。

基部のところには貝などの化石がたくさん混じった岩があり興味深い。

ウビラ石の頂点に登ってみる。風が強いが風景は素晴らしい。

今まで歩いてきた海岸線とこれから向かう海岸線も同時に眺められ壮観だ。

外海側は垂直に切れ、大波が洗っている。

人工物が一切無く、まさしく自然の真っただ中にいる時を実感する。

ウビラ石の上から落水崎を望む

 

ウビラ石の上からパイミ崎方を望む(パイミ崎は見えない)

 

ウビラ石からヌバン浜へ

ウビラ石の反対側には地層が剥き出しになったところがある。

見事に層をなしており、O藤氏が興味を持ってしきりに観察している。

付近にはアザミの花などが咲き、南国のタテハ蝶の仲間が多く舞っている。

 

ウビラ石の四角い模様          水平に刻まれた地層面

 

日差しがだんだん多くなってきて海岸線が明るくなってきた。

リーフがありしばらくリーフの中を歩いてみる。

しかし、水深は膝くらいだがリーフに入ってきた波に煽られ困難。

海岸に上がると石が少し小さくなりさっきよりも歩きやすくなっている。

1時間ほどで山の小尾根が海岸まで迫った場所についた。

右側の鞍部を越えるとそこには沢があり小滝を懸けている。

大岩を陸側に巻くと不意に幸滝が現れる

 

さらに海岸を歩く。変化のない単調な海岸を長く歩く。

広いのでお互い離れて好きな場所を波の音を聞きながら・・・。

青空が緑の山と海の青に映える。

沖には中御神島がよく見える。

標高102mある島を縦に眺めるので切り立った感がすごい。

まさしく絶海の孤島だ。

西表の西の果てをたんたんと歩く静かな時間。

単調だが潮風を浴びる心地よい歩きだ。

単調な海岸をゆく だんだん晴れ間が多くなってきた

 

そのうち地形図のヌバン崎をすぎると浜が見えてきた。

(山行後にパイミとヌバンのそれぞれ浜と崎の位置関係を調べてみるが判然としない。

地形図と山行記録や紀行などで場所が食い違っている。とりあえず手前をヌバン崎・浜、

最西端をパイミ崎・浜とするが違うかも知れない。)

ヌバン崎を回り込むとヌバン浜とパイミ崎に続く海岸線が見渡せる。

ヌバン浜から地形図P77mの南の鞍部を越える予定だ。

なぜならパイミ崎は満潮の時間帯になるので容易には進めそうにないからだ。

鞍部越えでショートカットすれば距離もかなり近い。

・・・・しかし不安がよぎる・・・・

今まで海岸の右手の山肌を眺めて歩いてきたが、山肌はアダンでびっしり

埋め尽くされているところがほとんどだ。

思案しながら歩いているとやがてヌバン浜に着いた。

パイミ崎とP77 P77の右に鞍部が見える

 

ヌバン浜(山越えを試みる)

果たして鞍部越えには踏み跡はあるのだろうか?

鞍部への切り分けがあるか幾筋かのアダン林の隙間を試して登ってみる。

しかし・・・・人が歩いた形跡は見当たらない。

少し南側には海岸から15mくらいの高さまでアダンの無い草の斜面が見える。

荷を持って急な草地を頂点まで登ってアダンの藪に突入してみる。

しかし5分もせず全く前進できなくなる。

この調子ではいくら時間があっても無理と判断。

本州のハイマツやシャクナゲの藪よりずっと手強い!

懸垂下降で海岸に戻って長めの休憩を取る。

休憩していると、ここは穏やかな海岸であらためて明るい陽光が注ぐ南国の果て

にいることを実感する!

まだ時間はいっぱいある。風は強くなってきているが幸い晴れている。

パイミ崎回りは満潮だが何とかなるだろう。ザイルもあるし・・・。

 

ヌバンからパイミ崎(西表島最西端)を経てパイミ浜まで

さて、意を決めたら西表島最西端に向け出発だ!

時間はある。落ち着いてゆこう!

最西端を目指す  O藤さん、危ないよ

 

最初の少しは歩き難い岩場を進む。

それもつかの間、やがて少し向きが変わる。

そして最後の岩場を越えて容易に最西端の岬に立った。

お互い握手。なかなか歩いては来られない場所に今立っている!

 

最西端パイミ崎(背後はヌバン崎)      西方は波が高い

 

せっかくの最西端の地、しばらく佇みたいところだが風と波が強い。

最西端を過ぎて、だんだん地形は岩の段丘状になってくる。

向きが変わったので波もかなり高く、岩場の下部に叩きつけている。

10分ほど進んだところでとうとう岩が垂直に切れているところに出た。

周辺の前後を歩いて見渡す。

山側は急傾斜の濃密な藪、海岸線は波が打ち寄せていている。

岩場から真下を覗くと、岩場にどうにか辿れそうな狭いバンドが走っている。

しかしその先は次第に海に没しているのが見える。

先は見通せないが懸垂で下に降りることに。それしかない。

丸みのある岩にスリングを掛けて懸垂。

懸垂は簡単だが波を浴びる。海の中に没している先へ滑らないよう慎重にへつる。

波を浴びながら恐る恐る進むとその先は腰から胸下位の水深のようだ。

よく見ると海底が見えている。  やった!これなら渡れる。

波と波の間隔を見計らって渡る。昨日も同じように渡ったので2回目だ。

O藤氏も無事渡り終え一安心! ところが・・・・ O藤氏が叫ぶ??

「懸垂した支点にカメラとビデオを置き忘れた」!!

なんてことだ!! 

  ・・・2人空身で再び海に浸かり懸垂場所へ

下からO藤氏を支え、何とか上に這い登る。そしてまた海に浸かり無事帰還。

懸垂のあとは腰まで海に浸かって・・・1往復半も

 

やれやれ。大変なところを往復することになるなんて。

この山行で忘れなれないひとコマとなった。

それからひとつ張り出しの小尾根基部を越える。

そして次のところも・・・・・っと思っていたら水深が・・・・。

深くて波が打ち寄せていて海岸を進むのはどう見ても無理だ。

干潮ならどうということも無さそうだが・・・。

満潮なので仕方ない。

小高い岩の上からは目と鼻の先に泊り場のパイミ浜が見渡せる。

もう少しのところで・・・・。

覗き込むとかなりの高さがある

 

困ったこととは関係なく海の色はエメラルド色で非常に美しい。

曇っていても目が覚める美しさだ。

さて本当に困った。足元を見ると相当高い。垂直の下の海も深い。

崖から身をできるだけ乗り出して陸地寄りを落ち着いて観察する。

すると20〜30m先には崖の下に細く狭いテラス状の岩場が見えている。

あそこなら上手くいけば降り着けそうだ。

そこで目視で観察した距離を目安に藪を漕いでその場所の真上に登る。

O藤氏が真下を覗きに慎重に藪を分ける。

降りられそうとの返事。

大きなソテツの幹にロープをセットしザイルダウン。

再び覗くとロープは何とか海までぎりぎり届いた。

H内、O藤の順で懸垂下降。

垂直の崖を降りて少し波が洗う狭いテラスに。

岩の高さ7m程の懸垂下降で狭いテラスに降りる

 

そこからは際を腰位の水深で岩を掴みながらへつって進む。

内側なので波は穏やかになっている。

無事パイミ浜の西端に上陸。

ヌバン浜から1時間40分掛かった。

O藤氏の安堵の笑顔が・・・・お疲れ様でした!

パイミ浜に上陸

 

鞍部越えならどうなっていたことやら?

浜から鞍部をみてもアダンが占領し海周りで良かったとお互い安堵した。

天気は次第に雲が厚くなり風も強く寒くなってきた。

砂浜自体は白く綺麗だが、結構ゴミが多く打ちあがって景観を損ねている。

しかし西表島最西端にいる感慨は深い。

誰も居ない広い浜でテントを張る。

パイミ浜で泊まる 水はすぐそばを流れている

 

夕暮れはあいにく雲で夕日が見られない。

夜はO藤氏も初めてホタルを見た。

なんとテントの中に舞い込んできたとのことで、手のひらで淡い光が・・・。

夜、流木の焚火で暖を取りながら静かに時間が過ぎてゆく。

 

〜〜後編(最西端パイミ浜から船浮)につづく〜〜

 

 

 

posted by: horiuchi | - | 20:52 | comments(0) | - |-